鏡面曲面体にめっぽう強い照明
(2024年12月)
鏡面かつ曲面で構成されているワークは検査が非常に難しく、
有効な構成が決まらずあきらめる、といったケースが時折あます。
今回は、このような鏡面曲面体に対して有効な、とっておきの方法をご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
- 営業マン Bくん・・・元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
- K課長・・・金属加工部品メーカーで検査自動化に取り組む担当者
今日はお客様が困っておられるというワークがあるということでご来社される予定です。
Aくん
「先月までは暖かい日が続いていたけど、さすがに12月になると寒くなってきたな~。
って、ええ?この時期でも腕まくりして扇風機かけてるのか!?」
営業 Bくん
「そりゃ、部屋の中は暖房が入ってるから暑いし、これでも追い付かないよ。
ほら、見ろ、俺の顔を!」
Aくん
「うわ!冬場なのに汗でギトギトだぁ~!!」
ピンポーン...。
K課長
「ごめんくださーーい!!」
Aくん
「あ! お客様がいらっしゃったぞ!」
営業 Bくん
「いらっしゃいませーっ! K課長、さあ、さあ、こちらの実験室へどうぞ!
あ、部屋の温度暑いですよね? 急いで冷やしますね。」
Aくん
「こらこら! ちょっと寒いくらいなんだから、冷やさないでくれ!
ところでK課長、今日のご用件を教えていただいてもいいですか?」
K課長
「今回は、このドアノブの取っ手に発生するキズと汚れを検査したいんだ。」
営業 Bくん
「うわ! ピッカピカの鏡面で、思いっきり曲面じゃないですか!」
K課長
「そうなんだよね。顔が写り込むくらいの鏡面で曲面になっているから、
一部なら欠点も確認できるんだけど全面観察しようとすると、なかなか難しくて...。」
営業 Bくん
「キズの凹凸を強調しようとしたら、ワークの曲面の凹凸が強調されてジ・エンドとなる
典型的なワークじゃないですか!」
K課長
「そうなんだよ。何かいい方法ない?」
営業 Bくん
「それが出来るなら苦労しませんよ。ずーっと出来ない典型的なテーマなんですから。
これが出来たら、減量でも、裸踊りでも、やっちゃいますよ!」
Aくん
「わかりました! このフラットドーム照明を使ってみましょう!!」
営業 Bくん
「え~!? できるの~?」
Aくん
「おいおい、先日の『マシンビジョンソリューションEXPO横浜』でも展示してたのを、
見てなかったのか?」
K課長
「でも、フラットドーム照明なら前に一度借りたんだけどな~。
ドーム効果で曲面はかなり広範囲にカバーできて、汚れを見るには良かったんだけど、
凹凸の影響を抑えてしまうので肝心のキズは見事に消えてしまったよ。」
Aくん
「通常の使い方であれば、そうなってしまうのですが、
ちょっとした工夫で、全然違う効果が得られるんですよ。
セッティングしますので、少しお待ちくださいね。」
ゴソゴソゴソ・・・
Aくん
「お待たせしました! それでは点灯して撮像しますね。」
パッパッパッパッ!!
K課長
「なんだ?この照明!? 各辺が順番に光ったような??」
Aくん
「はい。こちらの照明はただのフラットドーム照明じゃなく分割発光する特別なモデルです。
取得した画像をご覧ください!」
K課長
「おお、曲面の影響を受けずに、欠点の汚れやキズが明確に表れているぞ!」
Aくん
「これはフォトメトリックステレオ法を用いて、複数枚の画像を
ある条件を元に合成処理したものなんです。」
K課長
「いや、驚いた! これだけピカピカのだと、
どこかに要らないものが写り込んでしまうものだけど、
それがなくて、汚れやキズだけがしっかり見えているなんて!」
Aくん
「はい。以前からフォトメトリックステレオを用いた検査はあったですが、
こういう鏡面かつ曲面体のワークには太刀打ちできなかったんですよ。」
K課長
「それが今回はなぜうまくいったの?」
Aくん
「実は、これまでフォトメトリックステレオで使用していた照明は、
リング照明や バー照明の組み合わせによるものだったんですが、
鏡面体だとカメラの覗き穴の影響で均一に照射できず、不向きでした。」
K課長
「そうなんだ。」
Aくん
「そこで誕生したのがこのフラットドームタイプの分割発光照明なんです。
この照明なら、カメラの覗き穴の影響もなく、広範囲を均一に照射できるんです。」
K課長
「なるほど、まさにこのワークのためにあるような照明だね!
こういう光沢が強い立体物はたくさんあるから、検討させてもらうよ。」
Aくん
「ぜひお願いします! では、B宣言通りに・・・」
営業 Bくん
「では早速、裸踊りを・・・」
Aくん
「そっちじゃなくて減量で! はやくギトギトを卒業してくれ!」
■光沢&立体形状ワークの外観検査ソリューション
立体的で光沢のあるワークの異物や凹凸の検査を特注照明+フォトメトリックステレオ法で実現
立体形状ワークの異物や凹凸部分などを強調して画像化が可能な撮像システム
・照明の発光面300×300mm、200×200mm、150×150mmは
LFXVシリーズ標準品と同形状のフラットな筐体を実現
・カメラ・レンズ・画像処理周辺機器など、トータルシステムでのご提案が可能
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