高倍率でも、明るくて、ピントが合うとっておきの方法
(2024年11月)
非常に微細な検査対象物を観察する場合、いくつかの課題を乗り越える必要があります
限られた視野で、被写界深度(ピントの合う範囲)が狭く、製品の歪みやバタつきに対応できない。
さらに、観察に必要な明るさが十分に確保できない。など、高分解能ならではの課題があります。
そんないくつもの課題を、一気に解決するとっておきの方法をご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
- 営業マン Bくん・・・元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
- R課長・・・半導体製造工場で検査機の導入を進める現場責任者
今日は課題をたくさんお持ちのお客様が相談に来られる予定です。
営業 Bくん
「んー、細かい文字が、読みにくくなってきたな~。」
Aくん
「もう老眼になったのか?若さ担当はもう卒業だな。」
営業 Bくん
「いや~、昨日まではそんなでもなかったから、多分、疲れが出たのかな~。
明け方5時まで飲んでたからなぁ~。」
Aくん
「ただ酔っぱらってるから焦点が合わないだけだろ!」
ピンポーン...。
R課長
「ごめんくださ~い!!」
Aくん
「あ!ほら、お客様がいらっしゃったぞ!」
営業 Bくん
「いらっしゃいませー!!
今日は飛び切り難しいテーマをお持ちいただいたということで、
今回もこの百戦錬磨のAがズバッと解決してみせますよ!」
Aくん
「こらこら!何も詳細を確認してないくせに勝手に風呂敷を広げないでくれ!
R課長、現状のお困りごとをお伺いしてもいいですか?」
R課長
「このウエハー上に形成されたパターンの状態を観察しているんだけど、
レンズ倍率が5倍と非常に高倍率なので、ちょっとウエハーが反ったりしていると、
ピントが合わなくなって検査できなくなるんだ。」
Aくん
「高倍率になると、どうしても被写界深度が浅くなってしまいますからね。」
R課長
「さらに、確保できる視野も狭くなってしまって、
ウエハー1枚当たりの検査時間を考えると、分割で撮像するにも間に合わなくて...。」
Aくん
「なるほど。被写界深度の問題に加えてタクトタイムもですか。
確かにその倍率だと、視野が相当小さくなりますからねー。」
R課長
「そうなんだよ、仮にピントの合う状態が作れても、高速で可動して観察するには、
照明の光量も足りなくなるし、今は顕微鏡で観察してるけど、
それだとスペース的に大きな照明が置けなかったりで課題が山積みなんだよ~。」
Aくん
「わかりました。その山積みの課題、ズバッと解決しておみせしましょう!!」
営業 Bくん
「うわ! 自分から風呂敷を広げちゃったけど、大丈夫か!?」
Aくん
「そんなこともあろうかと、事前にお伺いしていた概要を元に準備を進めておりました。
R課長、こちらへどうぞ!」
R課長
「わー! この物々しい装置は一体!?」
Aくん
「はい。これこそが、いくつもの課題を一気に解決する夢のシステム、
大型ラインカメラ対応の高速追従型高倍率オートフォーカスユニットです!!」
R課長
「おお! なんだか強そうでカッコいい!!」
Aくん
「こちらのユニットは倍率5倍で観察できますので、試しに撮像してみましょう。
それではワークをセッティングして、ステージを可動させますね。」
シュイーーン!!
R課長
「はやっ!今のスピードでも画像取り込みできちゃうの!?」
Aくん
「はい。200mm/秒で搬送させて撮像してみました。
その結果がこちらです!」
R課長
「おー!
画像取り込みの速さもすごいけど、こんなに大きい視野を一度に確保できるなんて!!
しかも、全体のピントが合ってて鮮明な画像が取得できてるね!」
Aくん
「はい。大型ラインカメラを用いることで、
5倍という高倍率でありながら視野を最大86.4mmのイメージ幅で確保できるので、
同倍率で見た顕微鏡視野φ16mmに対して、圧倒的に広範囲で観察できます。」
R課長
「でも、これだけの搬送速度で検査しようとすると、
光量不足で真っ暗な画像になりそうなもんだけど、ちゃんと見えるね~。
ものすごく明るい光源が搭載されているの?」
Aくん
「光源部は標準機の照明で、特別に明るい照明という訳ではありません。
明るさが確保出来ている最大の理由はこのカメラにあるんです。」
R課長
「このカメラって、まさか、」
Aくん
「はい。従来は高速画像取得の為には高輝度の観察照明が必要でしたが、
256段TDI※ラインカメラを使用することで、
通常のライン照明を落射照明として使用しても明るい画像を取得できるようにしています。」
搬送方向にデータを足し合わせて高感度にする仕組みです
R課長
「ありがとう!これで検査が大きく進展しそうだよ!!」
Aくん
「それは何よりです。もしよろしければ12月に開催する
シーシーエスのプライベート展示会「マシンビジョンソリューションEXPO横浜」に
ぜひお越しください。今回のユニットの他にも、密着イメージセンサ(CIS)を活用した
オートフォーカスシステムなど、40点にも及ぶ最新のソリューションを展示しますので、
きっとご満足いただけると思います。」
R課長
「へー、そりゃいいね~! ぜひ行かせてもらうね!
あれ?ところでBくんはあんなところでカメラを外してのぞき込んでるけど何してるの?」
営業 Bくん
「おかしいなぁ?このユニットなら俺の目のピント調節もバッチリだと思うんだけどなー。」
Aくん
「こら! しょうもないことに最新システム使わないで、まず、酒を控えろーっ!」
■高速追従型オートフォーカスシステム ラインセンサカメラタイプ
エリアカメラのシステムと比較して、検査時間の短縮に貢献。
・独自の演算処理とラインセンサを利用することにより、高速追従能力と安定性を実現。
・オートフォーカス用の光源には、IR(赤外光)と可視光の2タイプから選択が可能。
・透明体であるガラス(LCD)、フィルムや光沢のある金属面など、
あらゆる分野でご利用いただけます。
12月4日(水)・5日(木)・6日(金)に横浜で開催する
「 シーシーエス マシンビジョンソリューションEXPO 2024 in 横浜」では
オートフォーカスシステムをはじめ、高解像度・高速検査に対応した撮像ソリューションを展示いたします。
●展示エリア「高解像度・高速検査」
高精細/高速追従/高視野対応 多様なオートフォーカスの活用事例
高倍率・高速でも、高低差へ追従して画像取得が可能なシステムや、
広視野で検査対象の高低差に対して高速でピント合わせが可能なシステムなど、
多様なオートフォーカスの活用事例をご紹介します。
・ラインスキャンカメラ+フォトメトリックステレオ FPGAによる高速画像処理
・超高速エリアカメラ撮像
・微細なキズや傾き、凹みを捉える撮像ソリューション
・瞳分割偏光装置・複屈折瞳干渉装置
・大型レンズ一体型平行度可変同軸照明
・スクリーン投影による透明体の撮像技術
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