見えない違いが明確に、近赤外領域を活用した最新システム

(2024年9月)

見た目で分かりにくい違いを、判別する方法があります。
それは、細かい波長帯域で検査対象物が持つ固有の分光情報を取得して分析することで、
目では見えなかった違いを判別する方法です。
さらに、材質にあわせて波長を工夫すれば、より明確に違いを引き出すことが出来ます。
そこで、今回は近赤外領域を活用した最新システムをご紹介します。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • G係長・・・樹脂製容器のリサイクルを担当する現場責任者

今日はお客様が、判別困難なものがあるということで、相談にご来社される予定です。

営業 Bくん

「あー、やってしまったー。。」

 

Aくん

「うわ、お前のYシャツ、すっごく汚れてるじゃないか!」

 

営業 Bくん

「さっきお客様からお土産のチョコをもらって、

 後で食べようとポケットに入れてたら、ドロドロに溶けてたんだよー。」

 

Aくん

「ダイレクトにチョコをポケットに入れたら、その時点でアウトだろ!

 よく見ると、他にもけっこう点々と茶色いシミがあるけど?」

 

営業 Bくん

「あ、これは、お昼に食べたカレーうどんの汁ね。」

 

Aくん

「お子ちゃまかっ!!」

 

 

ピンポーン...。

 

 

G係長

「ごめんくださーーい!!」

 

Aくん

「お客様がいらっしゃったぞ!みっともないけど、お出迎えだ!」

 

営業 Bくん

「いらっしゃいませーっ!G係長、さあさあ、こちらの実験室へどうぞ~!」

 

G係長

「やあ、Bくん。あれ、やけに汚れてるね。畑仕事でもしてきたのかい?」

 

営業 Bくん

「そうなんですよ! ちょっと泥が付いていますが、気にしないでください!

 本日は、判別困難なものをお持ちいただいたんですよね?」

 

G係長

「そうそう、ほら、これなんだけど。

 この4つの樹脂片、それぞれ別の材質のものなんだ。」

 

営業 Bくん

「えー?どれも全く同じに見えますね。」

 

G係長

「でしょ?これをぱっと判別できる方法が試せると聞いてるので、

 すごい期待しているよ~!」

 

Aくん

「有難うございます。機材は準備済みです!

 さっそくこちらのカメラで確認していきましょう!」

 

G係長

「これは、一見普通のカメラに見えるけど...?」

 

Aくん

「こちらはハイパースペクトルカメラというもので、通常のカメラでは捉えることができない、

 波長帯域の数nm単位の変化量を確認することができる特殊なカメラなんです。

 今回は、近赤外光の照明を使って、900~1700nmの範囲で測定してみますね。」

 

G係長

「今回のような、見た目では違いが一切わからないものでも判別できるの?」

 

Aくん

「それぞれ材質が異なる樹脂であれば、その可能性は十分にあると思います。

 では撮像しますね。」

 

 

シュイーーーン。

 

 

Aくん

「データ取得ができました。解析しますので、ちょっとお待ちくださいね。」

 

G係長

「なんか、緊張するねー」

 

Aくん

「お待たせしました。こちらをご覧ください。
 分類結果をわかりやすいように色を付けて表示しています。」

G係長

「おお!樹脂片ごとに色が違う!異なる素材が区別出来てるってことかな?」

 

Aくん

「その通りです!4つの樹脂片に900~1700nmの光を照射して撮像したところ、

 近赤外波長の1050nm付近と1300nm付近でそれぞれの樹脂が違った特性を示すので

 その特徴を強調するような処理を加えて、このような分類が可能になりました。」

 

G係長

「ほんと驚いたよ。そういえばこの装置に付いてる照明も見慣れない照明だね。」

 

Aくん

「はい。ハイパースペクトルカメラ用に開発した、

 ブロードな波長が得られるハイパースペクトルイメージング照明です。」

 

G係長

「なるほどー。カメラだけあってもダメで、この照明との組み合わせが重要なんだね。

 あれ?ところでBくんはYシャツ脱いで何してるんだろ?」

 

営業 Bくん

「ふっふっふ...。実はG係長にぜひ見ていただきたくて、密かに用意していたんですよ。

 僕のYシャツの汚れは同じように見えますが、実はチョコの部分とカレーうどんの

 部分があるんですよー。。」

 

Aくん

「ん?なるほど。それちゃんと実験したいかも。しばらくそのシャツ借りていいか?

 良い結果が出たら、EXPO横浜のハイパースペクトルカメラ展示のワークにしようかな。」

 

営業 Bくん

「えー、いいけど~、Yシャツ1枚しかないよ~。」

 

Aくん

「もうTシャツでいいんじゃない?ビズカジって流行っているらしいから。」

 

G係長

「あのー、盛り上がっているところ悪いけど(笑)、ワーク実験のつづきをやろうか。」


おわり

ハイパースペクトルイメージング

高い波長分解能で画像を取得する機能を持つハイパースペクトルカメラと
それに対応した照明を用いて画像を取得する技術です。
対象物の反射光を撮影し、可視化することで、成分分析や異物検出、
高精度な色識別といった通常のカメラでは実現の難しかった検査を行うことができます。

シーシーエスでは、
可視~近赤外まで広い波長範囲のラインアップから、目的に応じたカメラのご提案や、
波長・照明形状・長さ変更など、ご要望にあわせた照明のカスタム対応が可能です。

撮像事例:プラスチックの材質分類

ワーク写真
ワーク写真
出力画像例
ハイパースペクトルイメージングで分析した出力画像例


今回ご紹介したハイパースペクトルイメージングは、12月4日(水)・5日(木)・6日(金)に横浜で開催する
「シーシーエス マシンビジョンソリューションEXPO 2024 in 横浜」に出展します。

出展物や開催するイベント、来場予約方法は特設ページをご覧ください

シーシーエス マシンビジョンソリューションEXPO 2024 in 横浜

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