Aくん

「どうした？今日は顔色が悪いなー。連日の暑さでバテてるのかな？」

 

営業 Bくん

「いや～、暑くて参ってるのは確かだけど、朝5時まで飲んでたのが効いてるみたいだわ～。。」

 

Aくん

「連休明けから攻めすぎだぞ！！　ん？その手に持ってるのは？」

 

営業 Bくん

「実験室の隅にあった水だよ。水分補給で回復するはず。。。」

 

Aくん

「いやいや、よく見ろ！」

 

営業 Bくん

「・・・ギャー！　工業用エタノールじゃないか！」

 

Aくん

「飲んだら洒落にならないぞ！しっかりしてくれよ～！」

 

 

ピンポーン．．．。

 

 

Z課長

「ごめんくださーーい！！」

 

Aくん

「あ！ほら、そんなアホなことしてるうちに、お客様がいらっしゃったぞ！」

 

営業 Bくん

「いらっしゃいませーーーっ！ようこそ！さあ、こちらの実験室へどうぞ！！」

 

Z課長

「やあ、Bさん、叫び声が部屋の外まで聞こえたよ。今日も元気だね～！」

 

営業 Bくん

「それが私の取り柄です！ところで今回はどんなご相談内容でしょうか？」

 

Z課長

「実はね、この非常に薄い金属プレートを抜き打ちで目視検査してるんだけど、

　どれが欠点かわかるかい？」

 

Aくん

「キズか何かですか？」

 

Z課長

「キズじゃないんだよ。この辺りに周囲と異なる小さな打痕が入ってるでしょ？」

 

営業 Bくん

「たしかに、ここだけ少し凹んでますね！でもこのワーク、なんか波打ってません？」

 

Z課長

「そうなんだ。欠点は目で確認できるんだけど、緩やかなうねりのせいで、

　カメラで捉えようとしても、周りの変化を拾って、うまくいかないんだ...。」

 

営業 Bくん

「こんなに製品が反っていたら、さすがにしんどいですよ～！！」

 

Z課長

「やっぱりむずかしいかなぁ...。

　そもそも人が検査するときも製品の向きを変えながら色々見てるもんなあ。」

 

Aくん

「ちょっとひとつ試してみたいものがあるんですが、いいですか？」

 

Z課長

「もちろん！可能性があるなら、何でもお願いするよ！」

 

Aくん

「それじゃあ、ちょっとセッティングするのでお待ちください。」

 

ゴソゴソゴソ...。

 

Aくん

「お待たせいたしました！

　こちらは光屈折可視化システム、RefView（レフビュー）です！！」

 

Z課長

「光屈折？可視化？一体これはどんなものなの？」

 

Aくん

「では早速、こちらにサンプルを置いて、見てみましょう！

　今回はワークが鏡面体なので、

　カメラを少し斜めに傾けて、正反射光を観察する構成でいきます。」

 

Z課長

「パッと見は普通の大きなフラット照明のように見えるねー。」

 

Aくん

「実は、標準品とは違う照明でして。まずは、画像を取り込んでみますね。」

 

パチ

パ、パ、パ、パ、パ！！

 

Aくん

 

「はい完了です！　どうぞ出力された画像をご覧になってください！」

 

Z課長

「え！？すごい！なんだ？背景のうねりを見事に無視して、欠点だけがすごくハッキリ見える！！

　これ、いま撮った画像だよね？」

 

Aくん

「はい。もちろんです！

　このRefViewは、ワークに縦縞と横縞のパターンの位相をずらしながら投影し、

　その画像を合成処理することで、照射光の光路の変化を克明に捉える手法になります。」

 

Z課長

「これはほんとにすごい！

　他のどの方法でも分離できなかった背景の歪みと欠点をこんなにもハッキリ分離して

　欠点だけが見えるなら、誰でも簡単に見つけられるよ！！」

 

Aくん

「今回のような金属プレートだけではなく、透明のフィルムやガラスであれば、

　バックライト構成にすることで、ヒケや脈理を可視化できるので、幅広く対応できますよ。」

 

Z課長

「いやぁ、ほんと、まさかこんなにハッキリと欠点を可視化してもらえるとは思っていなかったよ！

　このシステム、他にも色々と使えそうだね！」

 

Aくん

「はい。可視化が困難な浅い打痕や、透明体に見られるヒケなど

　これまであきらめていたような欠点でも、

　このシステムなら可視化できる可能性がありますのでぜひ！」

 

Z課長

「そうさせてもらうよー！あれ？ところでBくんは？」

 

営業 Bくん

「おお！すごい！！オレの顔をガラスにくっ付けて、残った顔の油をRefViewで見てみたら、

　すっごいものが浮き出てきたーー！！」

 

Aくん

「こらーっ！　そんなしょーもない欠点を、

　最新システムで浮き出させるなーーっ！！」