目では見えない透明体のビミョーな変化を捉える撮像システム

(2024年7月)

今日は、外観検査の現場ではよく使用するアイテム「偏光板+偏光フィルター」の、
意外と知られていない活用方法について掘り下げてご紹介します。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • T主任・・・樹脂成形品メーカーで透明シートの検査部の改善を任せられた担当者

今日はお客様から難しいテーマがあると御相談を受け、御来社いただく予定です。

Aくん

「うわ~!全身びしょ濡れだけど、一体どうした!?にわか雨にでも遭ったのか?」

 

営業 Bくん

「午前中に外回りをしたら、汗が止まらなくて、こんな姿になっちゃったよ~」

 

Aくん

「頼むからクーラーで冷やしすぎて体調崩さないでくれよ~!」

 

 

ピンポーン...。

 

 

Aくん

「あ!お客様が来られた! お迎えに行くぞ!」

 

営業 Bくん

「いらっしゃいませ!暑い中ご来社いただきまして! 冷え冷えの実験室へどうぞ!」

 

T主任

「Bさん、ありがとう。ビッショビショだけど、水浴びでもしたの?」

 

営業 Bくん

「そんなところです!ところで、今回はすっごく難しい見えない欠点のワークをお持ちだとか?」

 

T主任

「この透明なシートなんだけど、このマークしている箇所にスジが発生しているんだ。」

 

Aくん

「目視では、他の部位とまったく違いがわからないですねー。」

 

T主任

「そうだよね?正直、私もわからなくて、

 これはうちの検査員でも、限られた熟練の人しか見つけられないんだよ。」

 

営業 Bくん

「目で見えない欠点を検査するなんて、これはさすがにお手上げですね~。」

 

T主任

「そうなんだ。ずっと困っているテーマなんだよ。」

 

Aくん

「一度こちらで試したい方法があるんですけど、いいですか?」

 

T主任

「もちろん!ぜひ、お願いします!」

 

Aくん

「それじゃあ、この照明を使いましょう。」

 

T主任

「あ、この照明って確か、結構明るい光源ユニットだよね?」

 

営業 Bくん

「おいおい!大丈夫か?

 そもそも全く見えてないのに、いくら光量上げても見えないんじゃないか?」

 

Aくん

「まあ、見ておけって。T主任、ちょっと準備させてもらいますね。」

 

 

ごそごそごそ...。

 

 

Aくん

「お待たせしました!こちらが透明体の見えない歪みを可視化するスクリーン投影システムです!」

 

T主任

「おおお!光源ユニットにでっかいレンズが付いてるけど、

 これでどうやって観察するの?」

 

Aくん

「これはテレセントリックレンズで、歪みが少ない真っ直ぐな画像を撮るときに使うレンズです。

 このレンズを特殊なアダプタで光源ユニットに取り付けると、平行な光が照射できるんですよ。」

 

営業 Bくん

「平行な光がポイントということか!」

 

Aくん

「その通り。ただ、それを照射するだけではダメで、観察側にスクリーンを設置し、

 そこに平行光で作り出された光を投影することで、

 目では判別できないような微妙な変化を克明に捉えることが可能になるんです!」

 

T主任

「それは、ぜひ試してみたいね!」

 

Aくん

「はい、この光源ユニットとスクリーンの間にシートを設置してみてください。」

 

T主任

「こうかな?

 おお! 今まで見えなかったスジがハッキリと見えるよ!」

 

Aくん

「はい。スジが生じているということは、そこに何かしらの歪みが発生しているだろうと思い、

 この方法を試してみたんです。

 予想通り、歪み部分が強調されてスジが明確に見えるようになりましたね。」

 

T主任

「これは驚いた!ここまでハッキリと見えるなら、

 熟練の検査員じゃなくても容易に観察ができるね!

 まさか、光源ユニットにこんな使い方があったなんてねー。」

 

Aくん

「はい。このシステムの良いところは、対象物サイズに合わせて自由にレンズが選べるという点です。

 ぜひ、他の検査でも使えるケースがありそうなら、試してみてください。」

 

T主任

「ありがとう!ぜひ検討させてもらうよ!

 あれ?Bくん、光源ユニットとスクリーンの間に頭を挟んで何してるの?」

 

営業 Bくん

「ご覧ください!すごいでしょ? 私のビショビショの身体から立ち上る熱気も

 このシステム使えばこんなにハッキリと見えますよ~!!」

 

Aくん

「こらーー!! 光学システムが、湯気で曇るだろー!」

 

T主任

「デモとしては意外とわかりやすいかもな...笑。」

 


おわり

スクリーン投影検査

高出力LED光源+低倍率レンズを組み合わせ極めて指向性の高い光を照射することで
可視化しづらい透明体の凹凸や脈理の観察が可能です。

撮像事例:CDケースの脈理観察

バックライト
TH2シリーズの撮像

バックライト(TH2シリーズ)の撮像
高出力LED光源+
低倍率テレセントリックレンズ

高出力LED光源+低倍率テレセントリックレンズの撮像


本製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。

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