意外な方法で「見える!」を実現。偏光の活用事例
(2024年6月)
今日は、外観検査の現場ではよく使用するアイテム「偏光板+偏光フィルター」の、
意外と知られていない活用方法について掘り下げてご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
- 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
- K課長・・・樹脂加工部品を取り扱うメーカーの検査担当者
今日はお客様が相談したい案件があるということで午後からご来社いただく予定ですが、
Bくんが血相を変えて走ってきました。
ズドドドド・・・
Aくん
「うわぁ!危ない!! なんだよー!」
営業 Bくん
「すまん!ちょっとトイレ!!!」
Aくん
「なんだ、トイレか。びっくりした!
やたらと顔がギトギトしてたから、なんかまずいことでもあったのかと思ったよ!」
営業 Bくん
「ふぅ~。間に合った!あと2秒遅かったらとんでもない事になってたよ。」
Aくん
「そんなところでギリギリの勝負するなよ!」
ピンポーン...。
K課長
「ごめんくださーい!」
Aくん
「あ!お客様がいらっしゃったぞ!」
営業 Bくん
「いらっしゃいませーっ!K課長、暑い中ありがとうございます。
さあさあ、実験室へどうぞ、どうぞ!」
K課長
「やあ、Bくん。今日はいつにも増してギトギトだね~。」
営業 Bくん
「お褒めに預かり、ありがとうございます!ところで今日はどんなご用件で?」
K課長
「いや、褒めてはいないけど。。。まあ、いいや。
今日はこの樹脂製品に組み付けられている部品の有無を検査したいんだ。」
Aくん
「ちょっと見せてもらってもいいですか?」
K課長
「ほら、このクリーム色の樹脂製品の奥まったところにある金属部品だよ。」
営業 Bくん
「うわ!この金属部品、表面が梨地になってて、樹脂と見分けがつかないぞ!」
K課長
「そうなんだよ。デモ機も借りて試したんだけど、
どこから光を当ててもこの金属が光っちゃって、樹脂と同じような明るさになってしまうんだよ。」
Aくん
「もっと浅い角度から光を照射できれば、コントラスト差がつきそうですが、
金属部品が奥まったところにあるので、それも難しそうですね。」
K課長
「うーん。やっぱり、厳しいかぁ~。」
Aくん
「いや、まだ諦めるのは早いですよ。こちらを使って確認してみましょう!」
K課長
「え?これってただのリング照明じゃないの?」
Aくん
「まあ、ご覧ください!照明とレンズにこちらを付けて、クルクル...。
はい、どうですか?」
K課長
「ええーーー!?
すごい、見事に金属部品だけが真っ黒になってる!!これは、いったい!?」
Aくん
「はい。これは照明に偏光板、レンズに偏光フィルターを取付けて、
ワーク表面からの正反射光のみをカットした画像なんです。」
K課長
「え?偏光板って、照明の写り込みを消す時に使うものだよね?」
Aくん
「その通りです。一般的にはワークの表面に照明の写り込みが発生している場合に、
偏光を活用してその写り込みを消し込むといった使用方法ですが、それの応用です。」
K課長
「樹脂の部分はそんなに光沢もないし、照明も写り込んでいなかったけど?
あ、そうか!この金属部品!こっちに偏光の効果が出ていたのか!」
Aくん
「その通りです。この梨地加工の金属部品から返ってくる光は、
実はほとんどが正反射光で、この光は偏光方向が変わらないため
偏光フィルターでカットできるんです。」
K課長
「なるほど!だから金属部品がこんなに真っ黒に見えるのか!
金属のギラギラにここまで偏光が効果的に働くとは、おかげで課題が解決できたよ!」
Aくん
「偏光をうまく活用すれば、驚くほどコントラストが改善するケースは
他にも色々ありますので、ぜひ今後もご活用ください!」
K課長
「そうだね、またその時はぜひ相談するよ。
あれ? ところでBくんは、あんなところで何をやってるのかな?」
営業 Bくん
「K課長、私の顔を偏光フィルター越しにご覧になってください!
私の顔からも見事にギラツキが消えて美肌になりましたよ~!」
Aくん
「おいおい!偏光を使って気持ち悪いデモするな~!!」
K課長
「あ、でも、確かにモチモチで美肌....。」
■偏光板・偏光フィルター
照明に偏光板、カメラのレンズに偏光フィルターを取り付けることで、
ワークの表面反射の原因となる正反射光をカットし、
写り込みやぎらつきを抑えた撮像が可能です。
撮像事例:バーコード読取
ワーク表面で静反射する光をカットし、照明の映り込みをなくし、バーコード読取の精度向上
本製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。
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