Aくん

「この季節になると乾燥で、手がカサカサになるなぁ～。」

 

営業 Bくん

「そうか？俺はそんなの微塵も感じたこともないぞ！」

 

Aくん

「まあ、お前は冬場でも汗でギトギトしてるからなー。」

 

営業 Bくん

「出来ることなら、俺のギトギトを分けてあげたいんだけどな。」

 

Aくん

「いらんわっ！！」

 

 

ピンポーン．．．。

 

 

F課長

「ごめんください！」

 

Aくん

「あ！ほら、お客様がいらっしゃったぞ！」

 

営業 Bくん

「いらっしゃいませ！　F課長、さあ、どうぞこちらの実験室へ。

　ところで今日はどのようなご相談でしょうか？」

 

F課長

「実はね、このTABテープの貼り合わせ時のアライメントを検討しているんだけど、

　位置決め精度がなかなか安定しなくてね。」

 

営業 Bくん

「すごく薄くて小さいフィルムですね～。フィルム自体がたわんでるし、

　照明側で均一に照射しても精度高く見るのはしんどそうですね。。」

 

F課長

「そうなんだよ！たわみにも困ってて、

　何かいいアイデアないかと思って、相談に来たんだよ。」

 

Aくん

「承知しました！

　まずはこのフィルムのたわみが取れる機構を組めるかどうかですが、

　撮像環境はどんな感じなんでしょうか？」

 

F課長

「このフィルムをカッティングしたものを、吸着ヘッド付きのロボットでピックアップして

　ワークに貼り付ける際の位置認識をしてるんだけど、精度が悪くてねー。」

 

Aくん

「カッティングで母材のシートから打ち抜いた際に、既に反ってしまっているんですね。

　撮像時にフィルムのソリを取らないと難しそうですが、

　吸着テーブルを追加して、その上で撮像するような機構はとれますか？」

 

F課長

「その構成が取れればいいんだけど、既設ラインのスペースが限られていてね。」

 

Aくん

「でしたら、こんな照明なんていかがでしょう？」

 

F課長

「これは、面発光のフラット照明かな？なんだか分厚いけど。」

 

Aくん

「おっしゃる通り、フラット照明ですが、ちょっと面白い特長を持っているんです。

　実はこれ、吸着機能を持った照明なんですよ。」

 

F課長

「ん？ということは、照明自体が吸着テーブルの役割を果たすってこと？」

 

Aくん

「その通りです。この照明に使用している拡散板が多孔質の素材で、空気を通すので

　照明内部を減圧することで、吸着機能を持たせることが可能なんですよ。」

 

F課長

「これだけコンパクトで吸着機能があるなら、現状のロボットピッキング部分に

　この照明を組み込めばピックアップと同時に撮像までできそうだね。」

 

Aくん

「はい、では、TABテープをロボットでピックアップすることを想定して、

　照明の発光面を垂直に立てた状態で照明をセッティングして、

　カメラで撮像してみましょう。用意しますので少々お待ちください。」

 

 

ゴソゴソゴソ...。

 

 

Aくん

「お待たせしました！

　それでは吸気していきますね。」

 

 

ブーーーン...。

 

 

F課長

「おー、すごい！

　垂直な発光面にフィルムがピッタリ貼り付いて、落ちないぞ！

　しかも、ソリが見事になくなってキレイなフラット面になっている！」

 

Aくん

「こちらの撮像結果もご覧ください。

フィルムのたわみがなくなり、外形をしっかり捉えられてます。」

 

F課長

「いや～、驚いた。フィルムのたわみ問題だけじゃなく、スペース問題まで解消できるなんて。」

 

Aくん

「今回のように比較的軽い物体でソリやたわみが気になるようなものがありましたら、

　活用いただけると思います！発光面も100mm角程度での製作が可能ですので。」

 

F課長

「そうだね。サイズ違いのフィルムにも展開できそうなので、改めて相談させてもらうよ！

　あれ？ところで、Bくんは？」

 

営業 Bくん

「ふっふっふ…。F課長、ほら、どうですか？

吸着力なら私も負けてはいませんよ～！」

 

Aくん

「わぁ～、こらー！

　お客様の大事なサンプルを、ギトギトの顔面に貼り付けるな～！」

 

F課長

「んー。。表面の油汚れがハンパない．．．．．。」