カラー画像で明暗差にめっぽう強い、驚きの撮像方法

(2023年11月)

画像を取得した際に、検査したい箇所の明暗差が大きくて上手く検査ができない。
さらにカラー画像で色味の検査もしたい。そんな課題をまるごと解決できる
モノクロラインカメラを使用した驚きの撮像方法をご紹介します。

登場人物

  • ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
  • 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
  • N主任・・・金属加工メーカーの技術担当者。

今日はお客様がご来社され、ラインカメラを用いた実験をおこなう予定です。

営業 Bくん

「おーい!ちょっとこれ、見てくれよ~!!」

 

Aくん

「ん?なんだこの写真、一体誰だ!?」

 

営業 Bくん

「そりゃもちろん、俺に決まってるだろ!

 いま流行りの画像生成AIで、ちょっとハンサムにしてみたんだ。」

Aくん

「いやいや、ギラツキ以外は、お前の面影が全く無いぞ!!」

 

営業 Bくん

「そうかなぁ~。どう見ても俺そのものなんだけどなぁ~。」

 

ピンポ~ン!

 

Aくん

「ほら、そんなしょーもないことは置いておいて、お客様いらっしゃったぞ!」

 

営業 Bくん

「N主任、ようこそ!さあ、実験室へお入りください!

 今日は金属部品のレーザー溶接部の検査と伺っていますが、どういうことでお困りなんでしょうか」

 

N主任

「じつはね、この金属プレートのレーザー溶接部を、

 目視で検査しているんだけど、非常に小さい個所を見るもんだから、

 何とか自動化できないかなと思っていてね。」

 

Aくん

「どの部分を目視検査しているんですか」

 

N主任

「ほら、この部分の溶接ビードの状態だよ。

 拡大鏡で見ながら、溶接抜けや溶接焼けの度合いなどを検査しているんだ。」

 

営業 Bくん

「溶接部分がだいぶ黒いので、この部分明るく観察しようとすると、

 周りの金属面が思いっきり反射して目視で見るのもツラそうですね~。」

 

N主任

「そう、だからあまり長時間の検査が出来なくてね。

 過去に、その明度差をなくして自動検査できないかと

 モノクロラインカメラで撮像してHDR(ハイダイナミックレンジ)処理をしてみたんだけど、

 モノクロ画像だと、溶接焼けの微妙な色の違いが判別できなくて断念したんだ。」

 

※HDR(ハイダイナミックレンジ)

 明るさの異なる複数の画像を合成して、鮮明な画像を作る画像処理方法

 

Aくん

「ということは、カラー画像で検査する必要がありますね。」

 

N主任

「そうなんだ。微妙な色味の違いを捉えないと検査が出来ないので、

 カラーラインカメラを使って検査できないかなと思っているんだ。」

 

営業 Bくん

「うーん、カラーラインカメラで溶接部分の焼けを観察しようにも、

 周りがここまで明るいと両方をいっぺんに見るのはしんどいですよ~!」

 

N主任

「やっぱ、無茶かなぁ~。」

 

Aくん

「N主任、その依頼、何とかなるかもしれません。

 こちらのモノクロラインカメラを使って上手くいくか試してみましょう!」

 

営業 Bくん

「こらこら!さっきまでの話、聞いてたか?

 微妙な色味も見るからカラーラインカメラが要るんだって!」

 

Aくん

「まあ、心配するな。

 N主任、これから準備しますので、もうちょっとお待ちくださいね!」

 

ゴソゴソゴソ…。

 

Aくん

「大変お待たせいたしました!

 一度こちらの照明とモノクロラインカメラで撮像させていただきますね。」

 

N主任

「ほんとにモノクロラインカメラで大丈夫なのかな??」

 

シュイーーーン。

 

Aくん

「はい。撮像できました!結果をご覧ください。」

 

N主任

「え!?これは一体どういうこと!?

 モノクロラインカメラで撮像したはずなのに、カラー画像になっている!

 しかもベースの金属もハレーションで白飛びせずに

 溶接部分も暗くならずにしっかりと見えているね!!」

 

Aくん

「今回試した方法は、モノクロラインカメラで1ライン分を取り込む間に

 赤色、緑色、青色の3つの光源色を、それぞれ2パターンの光量で

 超高速に点灯切替して画像取り込みを行なっているんです。」

 

N主任

「ということは、1ラインを取り込む間に合計6回も照明が光っているっていうことなの!?」

 

Aくん

「はい。その通りです。カラー画像を取得するだけなら赤色、緑色、青色の照明を

 それぞれ1回ずつ光らせて画像処理をすればいいんですが、今回はそれに加えて

 明るい画像と暗い画像を足し合わせてHDR処理も行なっているんです。」

 

N主任

「なるほど!だからハレーションも押さえられて、

 ベース金属部分と溶接ビード部分が両方観察できている訳か!」

 

Aくん

「この方法を用いれば、どんなモノクロラインカメラでもカラー画像が得られるので

 レンズやインターフェイス、画素等の選択肢が格段に広がりますし、

 何より装置がコンパクトにできますから、得られるメリットも大きいですよ。」

 

N主任

「これはすごい!まさか、こんな方法で難題を解決してもらえるなんて思ってもみなかったよ!

 他にも明度差が大きくて困っている製品があるので、そちらもこの方法を検討させてもらうよ!」

 

Aくん

「ぜひ、他の案件でも何なりとご相談ください!」

 

N主任

「あれ?Bくん、ライン装置に横たわって一体何をしようとしてるの!?」

 

営業 Bくん

「よーし、今度はこのカラーHDRシステムで俺の顔のギラツキを取ってやるぞ!」

 

Aくん

「やめろ~!!やめてくれ~っ!!

 お前の重量でライン装置が壊れるわーーっ!!」


おわり

今回ご紹介したモノクロラインカメラによるカラーHDR画像処理は、12月6日(水)・7日(木)・8日(金)に横浜で開催する
シーシーエス マシンビジョンソリューションEXPO 2023 in 横浜」に出展します。

シーシーエスマシンビジョンEXPO 2023 in 横浜

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