移動体も複数検査もOK!
フォトメトリックステレオの新活用法
(2023年2月)
ワークのキズや汚れなど、複数の検査項目を1度の撮像でしたいけど、
高速で搬送されるので、複数の照明を切り替えて撮像をすることができない。
今回は、そんなお困り事に、とっておきの裏技をご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
- 営業マン Bくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
- O主任・・・樹脂製品のメーカーで検査装置の自動化に取り組む担当者
今日はお客様とオンラインでつないでワークテストを行なう予定です。
Aくん
「はくしょん!!」
営業 Bくん
「どうした? めずらしく風邪でも引いたのか?」
Aくん
「いや、花粉症でね。
換気のために窓を開けてるせいか、屋内にいても目がしょぼしょぼするし、困ったよ。」
営業 Bくん
「な~んだ!そんなことか! だったら、これを試してみるといいぞ。」
Aくん
「なんだ?この不思議な色をした液体は??」
営業 Bくん
「これは、栄養ドリンクに牛乳と薬草、漢方を混ぜた特製のレインボー万能ドリンクだ。
ちょっとクセは強いけど、鼻水も目のかゆみも一発で吹っ飛ぶぞ!」
Aくん
「うわ、ヤバそうな液体だし、なんだこの強烈な匂いは! 副作用が怖いから遠慮しとくよ。」
営業 Bくん
「そうか?確かにちょっとお腹が緩くなって、トイレから出られなくなるけど、効果てきめんだぞ!」
Aくん
「そっちのほうがツラいわ!!
それはそうと、これから実験するワークサンプルを見せてくれ!」
営業 Bくん
「ほら、この小さい樹脂の成型品だ。」
Aくん
「四角くて平たい乳白色の樹脂製品か。これの何を見るんだ?」
営業 Bくん
「この辺りが良品と比べると、表面がザラザラしてるだろ?
こっちの製品は異物が練り込まれて、黒い点がある。
あとは樹脂ショートの欠けとか、こういうのを検査したいんだ!」
Aくん
「欠点にも複数あるな。」
営業 Bくん
「複数の照明を組み合わせて、ステージを分けて検査すればよさそうだけど、
そうもいかない事情があるらしいんだ。」
Aくん
「お客様とオンラインでつないで、その辺りを確認しながら実験してみよう。」
オンライン会議での実験開始です。
営業 Bくん
「O主任、こちらの声は聞こえますか~?」
O主任
「やあ、Bくん。よく聞こえるし、映像もばっちりだよ!
Aさんも、本日はよろしくお願いします!」
Aくん
「それでは早速、実験に取り掛かりたいのですが、何か制約条件はありますか?」
O主任
「今回は検査機を既設ラインに追加で導入したくて、
限られた設置スペース内で、なんとか出来ないかと考えているんです。
動画を画面共有しますね。」
営業 Bくん
「うわぁ、このスペースだったら、カメラ1台で1ステージ組むのがやっとですね!」
Aくん
「しかも、結構なスピードで製品が流れているから、
照明を切り替えての複数回の撮像も難しそうですね…。」
O主任
「そうなんですよ。新規で組むラインなら、なんとか出来るのですが、
このスペースでどうにか構成できないでしょうか?」
Aくん
「異物は黒点のみですか?あとワークの色も乳白色のみでしょうか?」
O主任
「はい。異物は黒点のみで、ワークはこの乳白色の品種のみです。」
Aくん
「承知しました。それであれば面白い構成が組めそうです。
セッティングしますので、少々お待ちください。」
ゴソゴソゴソ...。
Aくん
「お待たせしました。」
O主任
「おや?3色のバー照明が三角形になるように組まれて、カラフルだけど、
この構成ですべての欠点が見えるんでしょうか?」
Aくん
「まあ、見ていてください。
実際の検査ラインで画像がブレないように、適切な露光時間を設定して撮像しますね。」
パチッ!!
O主任
「ん?単に異なる方向から光を当てたような画像で、あまり特徴が際立ってないようですが…。」
Aくん
「いえ、こちらは元画像で、実際は欠点の特徴に合った画像処理までおこないます。
こちらの画像をご覧ください。」
O主任
「こ、これは!
キズや表面のザラつきがすごく鮮明に見えている!」
Aくん
「はい。ただし、この画像だけでは黒点異物は確認できません。
キズとは有効な画像処理が異なるので、こちらの画像で確認できます。」
O主任
「すごい!あの一瞬の撮像で欠点に応じた画像が得られるなんて、びっくりです!!」
Aくん
「こちらは、フォトメトリックステレオの手法を活用したシステムなんです。」
O主任
「確か、分割発光のリング照明などで異なる方向からの撮像画像をもとに、画像処理をする手法ですよね。
1回の撮像しかしていないのですが、どうなっているのでしょうか?」
Aくん
「はい、複数回の撮像だと、高速の移動体には対応できないので、
波長の異なる照明とプリズム分光式の3CMOSカラーカメラを用いることで
1回の撮像で完結でき、その課題を克服したんです。」
「この構成ならカメラ1台で照明の設置スペースもコンパクトだし、
こんなに素晴らしいシステムはありませんよ!」
Aくん
「喜んでいただけて何よりです。今回のように光源色の違いに影響されないワークには有効です。
ぜひご検討ください!」
O主任
「あれ、ところでBくんがしばらく画面に映っていないけど、退席したのかな?」
Aくん
「あ!そんなところで何をしてるんだ!?」
営業 Bくん
「ふふふっ…。この特製のレインボー万能ドリンクをこのシステムで撮像したら、
きっとすごいことになるぞ…。」
ゴツン!バシャーーー!!!
Aくん
「うわぁ~!臭い~!
実験室がある意味すごいことになったじゃないかぁ~っ!!」
O主任
「オンライン参加でよかった…。」
■カラー照明+フォトメトリックステレオのご紹介
R(赤色)・G(緑色)・B(青色)各色の照明とプリズム分光式のカラーカメラを用いることで、
1度の撮像画像からRGB各色の画像に分離させた3方向の情報を取得できます。
この画像をもとにフォトメトリックステレオをすることで、今まで困難であった高速の移動体にも使用いただけます。
ご要望に応じて、カスタム分割発光照明のご提案が可能です。
詳しい製品情報は、以下の「資料ダウンロード」からご確認いただけます。
今回ご紹介した製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。
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