Aくん

「あれ？おかしいな。

　K係長、いつもならこの時間にはいらっしゃるのに、何かあったのかな？」

 

営業 Bくん

「忘れ物をして、会社に取りに戻ってるとか？」

 

Aくん

「確かに途中で忘れ物に気付いた時って、取りに戻るか悩むよな～。

　戻ってると時間がなくなるし、かといってそのまま進めても不完全になるし。」

 

営業 Bくん

「俺なら、すぐに会社に電話して誰かに届けてもらうけどな。」

 

Aくん

「確かにそれだったら時間も忘れ物も両方解決できるな！

　いつもはどうしようもないけど、今日は冴えてるじゃないか！」

 

ピンポーン！！

 

K係長

「ごめんくださ～い！！遅くなりました～。」

 

Aくん

「K係長、ようこそ、お待ちしておりました！！

　忘れ物をして、取りに戻っていたんですか？」

 

K係長

「いや、早めに着く予定だったのに渋滞でギリギリになってしまったよ。」

 

Aくん

「それは大変でしたね～。ところで、今回のご相談内容というのは？」」

 

K係長

「このコネクタの検査を考えてるんだけど、従来製品より一回りサイズが小さくなったうえに、

　生産量が増えたもんだから、すごい高速で検査しないと間に合わなくなったんだ。」

 

営業 Bくん

「うわぁ！形はこれまでの製品に似てますが、だいぶ小さいですね！」

 

Aくん

「しかも見たい所に段差があって、両方にピントを合わせようとすると

　かなりレンズを絞り込んで被写界深度を確保しなければなりませんね。」

 

K係長

「そうなんだよ。絞り込んでピント調整しても、画像が真っ暗になるし、

　かといって、露光時間を長くすると、ブレブレの画像で検査出来たもんじゃないし。」

 

Aくん

「現在お使いの照明では、調光値はどれくらいの余裕がありますか？」

 

K係長

「現状のワークでも、調光はMAXに近い設定で、

　さらにストロボオーバードライブ発光もしているから、ほとんど余裕はないよ。」

 

営業 Bくん

「お使いの照明は、導光方式のフラットドーム照明でしたよね？

　そうなると、直射タイプの照明に比べると暗いもんなぁ...。」

 

Aくん

「いや、逆にそれは好都合かもしれないぞ。」

 

営業 Bくん

「こらこら！人が困っているのを見て、好都合とはなんだ！

　人の不幸を喜ぶような子に、お母さんは育てた覚えはありませんよ！」

 

Aくん

「誰がお母さんだ！

　ほら、先日発売したばかりのアレ。あの照明があれば解決できるぞ！」

 

営業 Bくん

「あ、そうか！フラットドームタイプのパワーフラッシュ照明か！！」

 

K係長

「え？それって、一体どんな照明？明るいの！？」

 

Aくん

「早速、セッティングしてご覧いただきますね。」

 

ゴソゴソゴソ...。

 

Aくん

「はい準備完了。」

 

K係長

「え？見た目は今使ってる照明と変わらないんだけど？？」

 

Aくん

「まあ見ていてください。光らせますよ！」

 

パパパパパパッ！！

 

K係長

「うわ！さっきまで真っ暗でほとんど見えなかったワークが

　ビックリするくらい明るく捉えられている！！」

 

Aくん

「想定される露光時間に設定して、検査範囲全域にピントが合うようにレンズも絞り込んでいます。」

 

K係長

「へー！深度もしっかり確保しながら、これだけの明るさを短い露光時間で得られるなんて！」

 

Aくん

「こちらのLFXV-PFシリーズは、ご使用いただいているのと同じフラットドームタイプですので、

　検査範囲の均一度はしっかりと確保できています。」

 

K係長

「こんな高速検査は無理だろ！って半ばあきらめ掛けていたんだけど、相談してよかったよ！！」

 

Aくん

「フラットドームタイプ以外にも様々な形状ラインアップを追加していますので、

　K係長のところで使えそうな照明を今度持っていきますね！」

 

K係長

「それは助かるよ！ほんとにありがとう！

　これで新しいワークの課題も解決できそうだよ！！

　あれ？ところでBくんはあんなところでどうしたのかな？」

 

営業 Bくん

「うわぁ～！やってしまったぁ～っ！

　パワーフラッシュ照明でどこまで小さな部品が見えるか試そうとしたら、

　肝心のサンプルを落としてわからなくなったぁ！！」

 

Aくん

「やはり、最も難しい問題を抱えているのは、お前自身のようだな...。」