模様を消して凹凸だけを捉える！
ラインカメラで使える最新の撮像法
（2022年8月）
表面に模様などがあるワークの、シワや凹凸状態だけを捉えたい場合に、
照明の波長や照射角度を変えるなど、色々と工夫をしても上手く模様をキャンセルできず、
検査が安定しないということがあります。
そのようなときは打つ手なしで諦めるしかないのでしょうか？
今回はラインカメラを用いた検査時に使える、とっておきの撮像法をご紹介します。
登場人物
- ライティングコンサルタント Aくん・・・数多くの難案件をライティング技術で解決に導く、期待のコンサルタント
- 営業マン Ｂくん・・・若さと元気とやる気だけが取り柄のシーシーエスのムードメーカー的営業マン
今日は先日ご来社されたお客様から、また新たな課題が浮上したということで、
追加の相談をいただきました。
Aくん
「今日は最高気温が34度と猛暑日じゃないみたいだから、ちょっとマシだな。」
営業 Bくん
「いやいやいや、25度超えたらもう汗だくでどうしようもないぞ！
大丈夫か？この暑さでどうにかなっちゃったんじゃないか！？」
Aくん
「いやいや、お前の感覚のほうが、どうにかなっちゃってるぞ！」
営業 Bくん
「そんなことより助けてくれよ～！
かなりの無理難題に直面して、にっちもさっちもいかなくて困っているんだ！！」
Aくん
「お前のことだから、どうせ、
鼻からピーナッツ食べようとしたら取れなくなって困ってる！とか、くだらない相談だろ？」
営業 Bくん
「いや、その問題はちょうど昨日に解決したばかりで、今は別の問題だ。」
Aくん
「っていうか、ほんとに直面してたのか！ で、今回のは何だ？」
営業 Bくん
「実は、この多色印刷されている裁断前の紙のシートがあるんだけど、
こいつにシワが発生するんだって。
シワの方向もまちまちだっていうし、波長の工夫だけでは全部の色を消し込めなさそうだし、
おまけにこれをラインカメラで検査したいって言うもんだから、どうしようもない話だよ。」
Aくん
「いや、お前のピーナッツの話と比べたら、何百倍もまともだぞ！」
営業 Bくん
「そうはいっても、さすがにこの状況はどうにもならないだろ？」
Aくん
「そんなことないぞ。
多色の模様の影響をどんな色でも消し込めて、凹凸の変化だけ取り出す方法があるんだ。」
営業 Bくん
「なに！そんなマジックみたいなことができるのか！？」
Aくん
「ほら、この4方向斜光照明を使えば、それが可能なんだ。」
営業 Bくん
「なんだ！？このライン照明がアーチ状に組まれた、かまぼこみたいな照明は！？」
Aくん
「この照明は異なる方向から照射できるライン照明が4本組み合わさっていて、
それを高速点灯切り替えすることで
4方向からの画像を1度に取得して、画像処理でワーク表明の模様やハレーションを除去し、
シワやキズだけを捉えることができる画期的なシステムなんだ。」
営業 Bくん
「これは、ひょっとして、エリアカメラで先日提案していた
フォトメトリックステレオ法のラインカメラバージョンか！？」
Aくん
「お！そう、その通り！！
お前も1万回に1回くらいはまともな気付きがあるんだな。」
営業 Bくん
「そんなことより、早く見せてくれよ！本当に印刷の模様が消えるもんなのか？」
Aくん
「よし、それじゃあ、試しに撮像してみるか！」
シュイーーーーン！ パッパッパッパッ！！！！
営業 Bくん
「おおお！！すごい！！
黒の印字も赤や青の模様も全部消え込んで、シワだけが残ってる！
しかもラインの送り方向と同じ向きのシワまでちゃんと見えてるじゃないか！！」
Aくん
「高速切換えが出来る照明コントローラーを活用して、この多方向から照射できる照明を光らせれば
通常のラインカメラでは出来ないような捉え方だって出来ちゃうというわけだ。」
営業 Bくん
「まさか絶えず移動している連続体でこんなことが出来るとは思わなかった！」
Aくん
「いま使用している光源サイズではせいぜいA4幅くらいが網羅できる程度だけど、
照明のサイズは条件に応じて600mm幅までカスタマイズも可能だよ。」
営業 Bくん
「4回も切り替えているんだから、搬送速度には制限がありそうだな。」
Aくん
「今回のデモ構成だと、分解能45μm、スキャンレート18kHzで動作できるから、
搬送速度はMAX 200mm/secだけど、使用するラインカメラの分解能や、
スキャンレートによって異なるから、そこはお客様と相談が必要だな。」
営業 Bくん
「う～ん、こんなマジックみたいな芸当をサラリとやってのけるとは！
よーし、これは俺も負けていられないな！！」
ゴソゴソゴソ．．．。
Aくん
「お～い！B～！
そんな部屋の片隅で、一体何をやってるんだ？？」
営業 Bくん
「ぶわぁ～！ダメだぁ！！
ピーナッツをカシューナッツに変えてチャレンジしたら、鼻血が止まらなくなったぁ～！！」
Aくん
「お前の鼻血によるシミは、キャンセルできないから、
汚したカーペットはしっかり掃除しておけよ～。」
■ラインスキャンカメラ＋フォトメトリックステレオ法のご紹介
1ステージで4方向から照射して撮像し、ワーク表面の模様などを消して
シワや凹凸を捉えやすい画像取得ができます。
- ◆ 凹凸欠陥の可視化に有効
- ◆ 搬送されるワークに対してフォトメトリックステレオ処理をおこなう事が可能
- ◆ 照明サイズはカスタムで変更可能
■8/25（木）開催オンラインセミナー「カスタム照明の活用事例2」のご案内
シーシーエスは、年間2,500件以上のカスタム依頼に対応しており、
数多くの検査対象物や設置環境に合わせて、
形状変更、明るさ変更、大きさ・長さ・厚さ変更、波長変更などの対応をしています。
本セミナーでは、昨年10月に開催してご好評いただいた
「カスタム照明の活用事例」の第2弾として、新たな事例をご紹介します。
一見ハードルが高そうなカスタム照明で、どんなことができるのか、短時間でお話しします。
今回ご紹介した製品は、シーシーエスのテスティングルームで、
ライティングコンサルタントにご相談いただきながらお試しいただくことが可能です。
ぜひ、下記フォームよりお問い合わせください。
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